A-Collection

 

HOME> A-Collection > 024 > たーち屏風の家

たーち屏風の家

設計 大江泰輔/マニエラ建築設計事務所
施工 ASJ 沖縄南スタジオ[米元建設工業株式会社]
構造 RC 造平屋建て(一部屋根木造) 地上1階
撮影 松村芳治

たーち屏風の家は、沖縄南部西海岸に位置する。この数年で急激に発展をとげた地域であるが、海岸から約500m程にあるこの敷地周辺は塩田が栄えた場所であり、現在でもその名残が一部あるがとても閑静な地域である。ご主人は沖縄、奥様は鹿児島の出身であったため、この住宅のイメージは沖縄の風土をあわせつつも、内地の雰囲気を取り込んだような空間をご要望であった。

敷地は三角形の角地であり南側には水路があった。計画はその水路と平行に北側に配しひんぷんた長さ15m高さ4.5mの屏風を軸として展開していく、長手側が南向きとなるプランと し、南側には心地よい風通しのある花ブロックとルーバーによる屏風を配した。またそれ ら、たーち(ふたつの)屏風により生まれた建物との余白を居間から北および南へと広がる中庭とした。

母屋は、南西風を吹き流す形で、片流れの1枚の木造屋根で覆われている。軒を合わせて9mの長さの登り梁は5mと4mを継いでいる。それらは北側にある束立てコンクリートにより各3箇所で支持することにより、屈強な躯体のコンクリートとの接合と対極に軽さを表現している。
外観は沖縄らしく正面に植えられたハイビスカスの花や島サルスベリの緑が映える白で ある。屏風に誘われ建物にアプローチするにつれ、北庭の地面に埋められた琉球瓦が見え る。正面には片持ち階段がトップライトからの光を受けて、琉球石灰岩の質感のある壁に時間の影を刻む。

ゲストルームである和室では、床の間の壁を現地の赤土による少し荒々しい表情の版築壁とし、落としがけを鉄板としている。また壁面には赤土に合わせたトーンでチタン染色された越前和紙をあしらっている。

海に囲まれ年中風の強い沖縄という環境の中で、強い風を遮り心地よい風を取り込む屏風という昔ながらの考えを、現代風に取り入れたプランとなった。地域の自然との共生を考えた平屋(大地)に暮らす良さを家族が肌で感じられる家であり、1年過ぎた現在も、四季折々の変化を楽しみながら大変心地よく暮らされている。(大江泰輔)

■たーち屏風の家

所在地

沖縄県豊見城市

主要用途

専用住宅

家族構成

夫婦+子供2人

設計

大江泰輔/マニエラ建築設計事務所

施工

ASJ 沖縄南スタジオ[米元建設工業株式会社]

構造・構法・規模

RC 造平屋建て(一部屋根木造)  地上1階

建築面積 227.96㎡

延床面積 178.87㎡

竣工年月

2016年6月

撮影

松村芳治

1階平面 縮尺1/200
クリックで拡大
断面図 縮尺1/200
クリックで拡大
配置図 縮尺1/1000
クリックで拡大

大江泰輔

1972年兵庫県生まれ/1995年大阪芸術大学卒業/1996年狩野忠正建築研究所入所/1997年ミラノ工科大学修了/1998年 Architetto Beppe Facente 入社/2002年マニエラ建築設計事務所入社

ASJ会員登録のメリット

BENEFITS

設計プランの第1歩

会報誌をプレゼント

イベント・セミナーへのご招待