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ASJ Works Close-up

子供たちの歓喜が響く遊び心満載の路地のある家

大分県別府市

路地のある家

設計 福田哲也/アーキタンツー一級建築士事務所
施工 ASJ別府スタジオ[光綜合工業株式会社]

いつも子どもたちの遊び場となっている路地。アスファルト敷きなのでチョークで落書きもできる。

敷地の三方を道路に囲まれたS邸。玄関前を路地にして上部バルコニーを設けている。①
配置 縮尺1/1000

路地の出口に子どもたちの飛び出し防止のために描かれた「とまれ」の大きなペイントが目を引く。②

 家中、至るところに遊び心が詰め込まれたS邸。取材に訪れたときも子どもたちの笑い声が聞こえ、アスファルトの路地にチョークで落書きの真っ最中だった。
 Sさん夫婦が家づくりを考え始めたのは3年前の夏。当時は坂の上に家があり、足を悪くした同居の母には大変だった。加えて奥様は3人目の子どもを妊娠し、家族が増えて手狭になるのは明らか。「何とかしないと」と考えているとき、たまたま見たのがASJの広告だった。「近くのイベント会場に足を運んで初めて建築家と話をしました。とても面白くて、仕事の都合で途中抜けなければならなかったのですが、仕事が終わってから戻ってきて話を続けた程です」と奥様。
 ことのき7~8人の建築家と話をしたが、印象に残ったのが福田哲也さんだった。全体のデザインや雰囲気はもちろんだが、生活空間として家づくりを感じられたことが決め手となったという。
 福田さんには土地選びも手伝ってもらった。駅に近く、奥様の職場に近いという条件で見つけた宅地には区画がいくつかあった。どの区画にするか迷っているとき、福田さんが希望を整理したプランに最適の区画をアドバイスし、すぐに購入につながった。実は、お子さんの同級生の家でも同じ区画の購入を考えていたことが後から分かったそうだ。その家族が2~3日迷っているうちにSさんが購入。福田さんの的確なアドバイスが無ければSさんが買いそびれていたかもしれな。
 設計にあたっては「こちらの希望を投げるだけ投げた」とSさん。段差をなくしたい、ピアノが置きたい、親戚や知人が宿泊できる個室が欲しい等々、項目は50以上に及んだ。その中には「ハンモックがあるといい」「身長計がほしいね」「ブランコがあると楽しい」という遊び心や思いつきのアイデアもあったは、そうしたものでも福田さんは丁寧に拾ってくれたという。「こちらが投げた条件のほとんどをコンパクトな家の中に実現してくれました。しかも無理やりでなく上手に地理入れてくれたので、毎日がとても快適です」とSさん。
 ご主人のお気に入りはダイニングに続く和室の小上がり。「昼寝もできるし、大きなソファのような感覚で使える」そうで、畳には地元・大分名産の七島藺(しっとうい)が使われている。また、小上がりとキッチンはカウンターでつながっており、子どもたちはかうんたーに夕食のメニュー表を貼って「お店やさんごっこ」をしているとか。奥様も「料理中でも子どもたちと一緒なので寂しくない」とのこと。

明るい陽光が差し込むリビング・ダインニングは家族団欒の場所。③

キッチンと小上がりをつなぐカウンターも子どもたちの遊び場。④
リビングには身長計を兼ねたイラストが書かれている⑤

 遊び心だけではく実用性が考えられている点も住み心地を良くしている。例えば縁側。それほど幅のない縁側だが、腰掛けたり、荷物を置いたりとか何かと重宝している。家中のあちこちに設けられた豊富な収納、洗面所にある収納式の作業台など、限られたスペースを生かした機能的な設計が目につく。
 そして何よりもこの家を特徴づけているのが家の前面にある路地。ここは駐車スペースでもあり、子どもたちの遊び場でもある。ブランコに乗ったり、チョークで落書きしたりと遊びには事欠かない。2階にあるハンモックとともに、友達が遊びに来たときの人気スペースだ。車を止める事で道路への飛び出しも防ぐことができる。
 ハウスメーカーと相談したこともあるSさんだが、自由がきかないことを不満に思っていた。「結果として建築家が一番よかったと思います」。まもなく4人目のお子さんが生まれることが、この家での快適な暮らしを物語っている。

(取材/湯浅玲子)
小上がりの下には収納があり、来客時には個室として使用。⑥
収納できる作業台や雨天時の物干し場を備えた洗面室。⑦
コンパクトな中に要望をしっかりかなえたS低の外観。⑧
ハンモックのある部屋は子どもたちが成長した時の予備室でもある。⑨
バルコニーから路地を見下ろす。いつも笑顔で明るいSさん一家。⑩
この廊下の先に見える本棚やリビングの景色が奥様のお気に入り。⑪

■路地にある家

所在地

大分県別府市

主要用途

専用住宅

家族構成

母+夫婦+子供3人

設計

福田哲也/アーキタンツ一級建築士事務所

施工

ASJ別府スタジオ[光綜合工業株式会社]
 担当 藤川直樹
 管理 吉田直彦

構造・構法・規模

木造在来工法
地上2階  
軒高 GL+6,350mm 最高の高さ GL+7,050mm
敷地面積 142.16m2
建築面積 78.66m(建蔽率55.33% 許容 60%)
延床面積 151.43m(容積率81.54% 許容200%)
 1階 62.58m2
 2階 56.99m2

主な外部仕上げ

屋根  ガルバリウム鋼板、堅ハゼ葺き
外壁  無塗装サイディングの上、リシン吹付塗装
    木版貼り

開口部 アルミ製サッシュ 木製建具
外構  アスファルト敷き 芝敷き コンクリート金コテ

主な内部仕上げ

リビングダイニング

 床 ムニンガ リボス塗装

 壁・天井 ビニルクロス貼り

畳コーナー
 床 畳敷き(国東 七島い草)
 壁・天井 ビニルクロス貼り
子供部屋01

 床 ムニンガ リボス塗装

 壁・天井 ビニルクロス貼り

寝室

 床 ムニンガ リボス塗装

 壁・天井 ビニルクロス貼り

工程

設計期間 2012年9月~2013年4月
工事期間 2013年4月~2014年9月

撮影

志賀智(表紙 ④⑤⑥⑦⑨⑩⑪)
石井紀久(①②③⑧)

断面 縮尺1/200
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1階平面 縮尺1/200
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2階平面
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福田哲也

(福岡県中央区・東京都港区)

1968 年大分県生まれ/ 1992 年芝浦工業大学建設工学科卒業/ 1992年芝浦工業大学大学院修了後、アルティザン建築工房共同主宰/ 2000年株式会社アーキタンツ一級建築士事務所共同設立/ 2001年アーきたんつ福岡オフィス設立

 別府市の北側、亀川駅近くの区分住宅地に計画されたこの住宅は、どの区画を購入するかから検討が始まりました。ご要望(部屋数や必要駐車台数等)をお伺いして、最適な区画を検討。部屋数多いし玄関は中央の方が廊下が少なくて済むな、結構廻りの家が近いな、車2台かあ(それも1台は漏れずに&バイク)、BBQしたいなあ、子供たちがたくさん遊べる家……そうだ!路地を作ってしまおう、その上に大きなバルコニー乗せて。ということで区画8に決定。
 3方を道路に囲まれた区画に、車が通り抜けできる(ドライブスルー)路地の様な縦列駐車場を計画して、あとは大きなバルコニーを駐車場の上に乗せ、洗濯だって、BBQだって、どんとこいという設えにしています。バルコニーの支えを兼ねた壁を道路に沿って目隠し壁として延長。壁のおかげでリビングは光を取り入れながらプライバシーを確保、バルコニー下はブランコを取り付け、車が無い時はブラ~ンブラン。路地床はアスファルト敷きなので、チョークで落書き、昔懐かしケンケンパだってできちゃいます。子どもたちはのはしゃぎっぷりは楽しみですが、飛び出しは危険。そこで路地出口には‘とまれ‘の白線文字をペイントしました。
 家の内部も畳敷の小上がりや、身長を計る壁、ハンモックや御主人の書斎など家族の楽しみがいっぱいです。そう言えば、夏の花火をビール片手にバルコニーから眺められるんじゃないかと言っていたけど、どうだったのかな?(聞くの忘れてた)

ASJ 大分別府スタジオ

[光綜合工業株式会社 ]

スタジオマネージャー:藤川直樹

 ASJのテレビCMをみて、一瞬のひらめきで「未来をのぞく住宅展」に来場されたとおっしゃっていたS様御家族との家づくりは、土地探しから始まりました。
 S様は、建築家はイベント会場で出会った福田先生にお願いしたいと決めていましたので、先生には、土地選びから携わっていただき、建築家の目線で候補地を絞っていきました。
 土地を見ただけでは家のイメージがなかなかわかないようだったS様ですが、敷地の特長を生かして、道路と駐車場と遊びのスペースを考慮した個性的で意外性のある空間を取り入れたお住まいを提案したところ、大満足の様子でした。「ドライブスルー(路地)のある家」まさに、独特な空気感のある住まいです。
 打ち合わせでは、御主人、奥様も積極的にお住まいへの思いを話され、ご家族のお友達を招いて楽しめるようなくらいの実現に向けて、有意義な時間を住まいづくりチーム検討・調整・共有することができました。又、打ち合わせの回数を重ねるたびに、ふたりのお子様(女の子)もスタジオへ来場を喜んでいたのがとても印象に残っています。
 御引き渡し後に訪問した際には、ふたりのお子様が仲良くハンモックに揺られ楽しく遊び、その様子をご夫婦で微笑んでご覧にならている姿をみていますと、ご家族がお住まいを気に入られて心地よい暮らし方をされているようで嬉しく思いました。

この記事は、ASJの会員向け会報誌「A-Style Monthly」に掲載されたものです。

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