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ASJ Works Close-up

“白いハコ”のような外観に開放的なプライベート空間を内包

埼玉県深谷市

ココロハウス

設計 糸井裕構 杉山純一 篠原智一/sside一級建築士事務所
施工 ASJ熊谷スタジオ[小沢工業株式会社]

道路と住宅に囲まれた環境の中でしっかりプライベートを確保した、白いハコ型のモダンなエクステリア。

“白いハコ”をイメージしてデザインされたスクエア形状のモダンなエクステリア。外壁は耐水・耐候性に優れたサイディング仕上げ。①

埼玉県の閑静な住宅地の一角に建つ、ホワイトを基調としたスクエアな外観のS邸。白い箱型の内面に設けられた中庭の窓を大きく開け放つと、涼やかな風と明るい日差しが部屋いっぱいに広がる。エクステリアの印象とは異なる、そんな開放的な室内空間がこの家の魅力だ。
 もともと社宅に住んでいたS夫妻は、「いつかは自分たちの理想の家を建てたい」と常日頃から夢見ていた。計画が実際に動き出したのは三年前。いくつかハウスメーカーを回ってプランを提案してもらったもののどれもイメージと合わず、インターネットで新居建築の調査を続けている時に偶然目にしたのがASJのホームページだった。そこに掲載されている施工例を見たS夫妻は、「ここなら理想の家づくりができる」と確信。ホームページ上での無料会員登録を経てASJに入会し、土地探しから建築、コスト面など、ASJ熊谷スタジオの岡田さんからさまざまなアドバイスを受けながら、理想の家づくりをスタートさせた。
 「白いハコのような家をイメージしていました。凹凸が少ないシンプルなデザイン、周囲からの視線をカットしたプライベートな空間。それが新居に求める条件でした」というご主人と、「実家が畑に囲まれた一軒家だったので、窓は常に開け放しの状態でした。そのため、新居も開放的な空間であってほしいと思っていました」という奥様。そうしたS夫妻の希望を考慮して、熊谷スタジオから紹介されたのが建築家の糸井裕構さんだった。
 「糸井先生のご自宅や施工例が自分たちのイメージにピッタリだったので、理想の家づくりをお願いできるのはこの人しかいないとすぐに確信しました。一〇〇%信頼していたので、大まかな希望だけを伝えてあとは先生におまかせしました」。
 強い信頼関係のおかげで、打ち合わせも常に和やかかつスムーズに進行。糸井さんが提案するプランに対してS夫妻からNGが出ることもほとんどなく、Sさんの家づくりはイメージ通りに進んでいった。

ロの字型で構成された家の内側に窓を多く配すことで、プライベート感と開放感を両立している。②

道路に面した正面外壁の窓を排した代わりに、裏側には随所に小型の窓を配置。採光性と通風性を確保した。③

二つのコの字を上下で逆向きに組み合わせた特徴的なデザインで、プライベート感あふれる中庭をつくり出した。④
階段の支柱上部は存在感のあるアーチ状に。⑤
立体的な造形が際立つ、美しい廻り階段。⑥

 防犯性とプライベート感の確保、そして、人の目を気にせずに窓を開け放てる開放的な空間。道路と住宅に囲まれた立地条件でそうした希望を実現するため、S邸には二つのコの字を逆に組み合わせた、独創的なロの字型デザインが採用された。白いハコを思わせるスクエアな外観とプライベート感あふれる中庭が、この家のアイデンティティだ。外側の窓を減らして周囲の視線を遮ると同時に、中庭に向かって大型のサッシを全面に配置。人目を気にせず窓を開け放て、常に爽やかな風と穏やかな日差しを感じられる開放的なプライベート空間をつくり出した。
 外観と同様に、内装もホワイトを基調としたシンプルモダンなデザインで統一されている。ゲストルームとして畳敷きの和室を設けたほか、読書が趣味のご主人が落ち着いて過ごせる書斎、バルコニーに向かって大型サッシを配した明るいバスルームなど、随所にSさんの希望も盛り込まれた。上部をアーチ型とした支柱にステップを組み合わせた階段も、「イメージがわきやすいように」と、糸井さんが模型を製作して提案したという、こだわりの仕上げだ。
 「普段仕事で気を張っているので、人目を気にせずに安らげるこの家は自分にとって本当に大切な空間です。今後は、友人を呼んでパーティーをしたり、愛猫と一緒に穏やかな時間を過ごしていきたいですね」。
 信頼できるプロフェッショナルとの二人三脚で、理想の家を手にしたS夫妻。常に光と風を感じられるこの家で、これからも充実した家族の時間を紡いでいくことだろう。
(取材/岩田一成)

家族のコミュニケーションがとりやすい横並びのキッチンとダイニング。⑦
カリンのフローリングの鮮やかな色合いが落ち着きある雰囲気を演出する。⑧
黒とステンレスでスタイリッシュにコーディネートされたオーダーキッチン。⑨
畳敷きのゲストルーム。全体のバランスを考えて畳の色にもこだわった。⑩
ホワイト基調の主寝室には部屋のデザインに溶け込む黒のベッドを配置。⑪
読書好きなS さんがこだわった書斎。落ち着いて過ごせる癒しの空間だ。⑫
ウッドをワンポイントとしてあしらったモダンな装いのサニタリー。⑬
広々としたバスルームは清潔感のあるホワイトを基調にコーディネート。⑭
バルコニーに面したバスルームには大型の窓を配して開放的な雰囲気に。⑮
人目を気にせずにくつろげるプライベートな中庭。⑯
街灯の光で柔らかに照らし出された美しいホワイトの外観。⑰

■ココロハウス

所在地

埼玉県深谷市

主要用途

専用住宅

家族構成

夫婦

設計

糸井裕構 杉山純一 篠原智一/
sside一級建築士事務所
担当 糸井裕構

施工

ASJ熊谷スタジオ[小沢工業株式会社]

構造・構法・規模

木造在来工法
地上2階 
軒高 6,039 mm 最高の高さ 6,710 mm
敷地面積 179.56m2
建築面積  58.32m2(建蔽率32.48% 許容60%)
延床面積 109.35m2(容積率60.90% 許容200%)
 1階   58.32m2
 2階   51.03m2

主な外部仕上げ

屋根 ガルバリウム鋼板 立平葺
外壁 窯業系サイディング
開口部 アルミサッシュ
外構 磁器質タイル貼り
コンクリート金鏝仕上げ

主な内部仕上げ

L.D.K.
 床 フローリング/カリン
   フロアータイル
 壁・天井 クロス貼り
和室
 床 畳
 壁・天井 クロス貼り
主寝室
 床 フロアータイル
 壁・天井 クロス貼り

工程

設計期間 2013年2月~2013年7月
工事期間 2013年8月~2014年2月

撮影

石河正武(⑤⑥⑦⑧⑩⑪⑫⑮⑯)
SamStyle 吉田修(表紙 ①②③④⑨⑬⑭⑰)

A-A'断面図
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B-B'断面図
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2階平面
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1階平面
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配置図 縮尺1/200
クリックで拡大

糸井裕構

[東京都世田谷区]

1972年東京都生まれ/1995年武蔵大学経済学部経済学科卒業後、TOMORROWLANDに勤務/1997年Mitsutake Planning Design Office入社/2003年D3studio一級建築士事務所入所/2008年sside建築設計事務所共同設立/2011年株式会社sside一級建築士事務所として法人化

杉山純一

1974年千葉県生まれ/1996年千葉工業大学工学部工業デザイン学科卒業後、Mitsutake Planning Design Officeに勤務/2004年D3studio一級建築士事務所入所/2008年sside建築設計事務所共同設立/2011年株式会社sside一級建築士事務所として法人化

篠原智一

1976年千葉県生まれ/1999年神奈川大学工学部建築学科卒業/2000年Mitsutake Planning Design Office入社/2004年D3studio一級建築士事務所入所/2008年sside建築設計事務所共同設立/2011年株式会社sside一級建築士事務所として法人化

ココロハウス
 
 奥様の生まれ育った環境は、畑に囲まれた一軒家。周りの視線をまったく気にすることなく、のびやかに生活を営まれていたとのこと。新居を建築する際、通勤や学区等を考慮し、実家の環境とは正反対の住宅地に計画がスタートします。カーテンを閉めたことがなく、夏は窓を開けっ放しで風を取り込む生活が「日常」であった為、新居でも同様のご要望が当然のごとく挙がりました。
 まず最重要ポイントとして、外に閉じ、内に開く計画としました。外部の視線を完全にシャットアウトしながら、「光」「風」を取り込む。コの字のコアを上下階で反転させることによって完全に閉じている面からも建物の奥まで光を届けてくれます。
 また、二面を完全に閉じていても、箱庭の存在により各部屋に二ヶ所以上の開口を可能にしました。初夏のさわやかな風が家中を吹き抜けます。
 深谷市は日本一暑い熊谷市の隣町。夏は異常とも言える気温になります。
 完全に閉じた上で通風を確保することは当然として、外壁の選択にも気を使いました。まず日射を吸収しない「白」を採用し、さらに熱を蓄積しない素材を採用しています。
 「閉じる空間=シンプルなハコ」をより強調させる為に、シンプルな外壁としています。
 コの字とコの字を反転させてロの字になっているココロハウス。
 「思いやり」や「感情」、「意志」、ココロとは目に見えない本当に大切なもの。
 本当に大切なものを、当たり前のように大事にする。
 そんな生活がこの家で営まれてくれるとうれしい。

ASJ熊谷スタジオ

[小沢工業株式会社]

スタジオマネージャー:岡田純一
 「白くて四角いハコをつくって欲しい」
 建主S様からのこの一言でプロジェクトはスタートしました。
 ASJアカデミー会員にご入会後すぐに開催されたオープンハウスにお見えになり、熱心に建物をご覧になっていた姿が思い出されます。それから打合せの場所をスタジオに移し、希望される土地の場所や建設+設計+その他諸費用などを含めた総合的なコスト検討を行うと同時に、『建築家選定』もスタート。良い土地に出会ったときにはまず建築家からの意見を得るために全てを同時進行させて行ったのです。スタジオ常設の建築家作品集などをご覧になり、S様の新居イメージにピッタリの糸井裕構先生を指名していよいよテンションはMAXへ。
 すると間もなくS様から「希望のエリアに良い土地が見つかった」との連絡を受けて直ぐに糸井先生と共に現地を確認し、そのままプランニングコースが始まりました。それまでの打合せでコストコントロールも明確になっており、糸井先生からの素晴らしいプランもあって土地購入から設計契約へとスムーズに進みました。
 以降、実施設計での打合せにおいても糸井先生からの提案には殆どNGが出ず、ランチを挟みながらのショールーム見学など建築家との家づくりならではの楽しい思い出も沢山作りながらスケジュール通りに設計図が完成。着工後も非常に順調に工事が進み無事に竣工を迎えることができました。
 完成後のオープンハウス当日に熊谷市近郊では積雪60㎝を超える豪雪があり、開催が翌週に順延となるなどのハプニングもありましたが、全てにおいてS様のご理解ご協力を賜りながら完了したプロジェクトでした。

この記事は、ASJの会員向け会報誌「A-Style Monthly」に掲載されたものです。

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