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建築家のお話

これまでにない新たな快適空間を創っていく。

2016年5月26日 :建築家のOff Time


SPAZIO建築設計事務所安達揚一さん[52歳]

理想的な設計や。美味しい野菜は
イメージを沸かせることによりつくりだされる。

取材・撮影/高橋恵子

「自家製のラズベリージュースはいかがですか」
 
アトリエ周辺を季節の花でコーディネートした、ナチュラルガーデンを前にして迎えてくれるのは建築家・安達揚一さん。
 
雨水を利用したガーデンで、オリーブやレモンを収穫し、塩漬けやジャムを手作りしながら、自家栽培を愉しんでいるという安達さんは、
 
「朝目覚めて、もぎたてのトマトにかぶりつく。その味と触感は最高ですよ」
 
と嬉しそうに話してくれた。
すぐ隣のビニールハウスではトマトやキュウリ等、色とりどりの夏野菜がたくさん実っており、大きな畑には、なす、サツマイモ、すいか、メロン等いろいろな野菜や果物が栽培されていた。
聞けば明治から続く専業農家の五代目だという安達さんにとって農業は小さい頃から日常生活にあった。

野菜の収穫に精を出す。夏野菜は毎朝見回るのが日課。

「収穫しばかりの野菜は、香りと味はもちろんですが瑞々しさが違いますね」と安達さん。

「野菜や米づくりは子供達を交えて一家代々のイベントとして、今でも毎年行っていますよ」
 
と安達さん。
 
取材中、安達さんご夫妻は収穫したばかりの夏野菜を利用して、とびきりおいしい手料理をたくさん作ってくれた。
夏野菜の王様トマトをつかったふわふわのとろりとしたソースで、鶏肉とセロリを和えたという『鶏肉とセロリのフレッシュトマトソース和え』はトマトの旨味たっぷりの絶妙な味付けだ。新じゃが、なす漬け、ゴーヤ、枝豆など次々と食卓を彩る夏野菜のおいしさといったら、市販のものなど比べ物にならないほどだ。自然と会話がはずみ笑いが絶えない。

野菜を酢漬けなどに加工し、付け合せなどいつでも食せるよう保存している。

[5]収穫したばかりの野菜で作ったおいしい料理が、次々と食卓に並べられた。
[6]安達さんの通っていた幼稚園からの依頼で、園児達が芋掘りを体験する学童農園も含む自慢の畑。

安達さんの物づくりの原点は。子供の頃にまでさかのぼる。
稲刈りの後の藁塚に友達と洞窟を作り、そのほら穴空間とそこから見える青空が、とても心地よく安らぎ、何か生命力さえも感じられて感動したという。
そんな安達さんが建築の設計をする上で大切にしているのは、敷地を取り巻く環境と建主の要望とを、良好な関係性を保持したデザインとして創出する事。そしてこれまでにない新たな快適空間を創りだしていく事が、次世代のライフスタイルにつながるのだと想いを語ってくれた。
 
最後に野菜作りと建築設計の共通点はありますかと聞いてみると
 
「計画してから完了するまでイメージを湧かせる事が似ているのかな。野菜づくりは誰とどんな場面で料理し食事を愉しむかをイメージしてつくります。同様に、建築は誰とどんな空間で快適に暮らすかをイメージする事で理想的な設計ができますからね」
 
と話してくれた。
 
現在、安達さんは『菜園付アパートメント』を計画進行中だという。この共同住宅は、野菜と庭作りが好きな人達だけを入居者としているそうだ。各住戸には、専用の菜園と、キッチンから土間続きのテラスがあり、天水桶と外流しも備えているという。なによりステキなのは、みんなで収穫した野菜料理をテラスで食べ、豊かなひと時を愉しむことができるというのだ。
 
これからも、安達さんの家づくりは新しい発想で、人々の生活にやさしい居心地のよい空間をつくり続けることだろう。

進行中の菜園付アパートメント「ファーマーズテラス」の模型。

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