施主様のお話

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施主様のお話

図書館のような家

2016年7月5日 :タグ


今回の住宅は、2014年3月の完成から2年が経った「小平の家」(東京都)です。 薪ストーブとたくさんの本があるお住まいの “できるまで” と “今” をご紹介します。

引越し前のT様邸 写真:坂口裕康  ※クリックで拡大します

01)家づくりのきっかけ

「住むところを確保するために、私たちはいったいいくら支払っているんだろう?」 結婚し賃貸アパートに住んで8年が過ぎた頃、住居費をざっと計算してみたら、8年間で1,000万円を超えていることに気づき、二人で言葉を失ったというT様ご夫婦。

家賃にこれだけ払っていくのなら、ローンを組んで購入した方がいいのではないか? 将来自分たちの手元に残る住まいを手に入れたい、と思うようになります。 それが2011年末頃のお話。現在の家に住み始める2~3年前のことでした。

02)建築家との出会い

2012年2月、自宅ポストにASJの「未来をのぞく住宅展」のチラシを見つけ、“建築家との無料相談会”に惹かれ見に行くことにしたお二人。「自分たちの予算で本当に家を持つことができるのか?」「注文住宅は無理でも、何かアドバイスがもらえたらいいな」と軽い気持ちで参加したそうです。

奥様

会場にいた約10組の建築家と作品パネルを左端から見ていき、3人のお話を伺ったところで私は仕事に行く時間に。パネルの雰囲気がよかった(木材の色や窓からの緑が印象的で、気持ちよさそうに見えた)右端の方が気になりつつも退場。あとは夫にお任せ(笑)。

ご主人

ひとりになってから、右端にいた古市さんと少しお話ししました。その時はまだ何も決まっておらず・わかっていない状態だったので、適当な妄想(薪ストーブやお風呂場のカビのことなど)を話した記憶があります。今思うとつまらない話だけれど、それでも古市さんが話を聞いて様々な可能性を教えてくださったのが好印象でした。

奥様

帰宅して夫から「最後に話した古市さんっていう人は、あなたと話が合いそうな気がしたよ」と言われたのが、私にとっての出会い(出会えず?笑)です。webでインタビューを読み、「山の中で、大きな石や木陰がつくる空間のような」という家の考え方が素敵だなと思いました。

「未来をのぞく住宅展」イベント風景(イメージ)

ご夫婦は入会後、土地探しをしつつ、イベントやオープンハウスにたびたび参加。半年以上が過ぎ、予算の見通しも立ったころ、スタジオと「どの建築家にするか」を決めていくことになります。

ご主人

いろいろな建築家と話して気づいたのは、専門家だけあって、どの方も経験や知識が豊富で、それぞれによい提案をしてくださるということ。誰に依頼するか迷い、①女性であること、②「思想」(考え方)が合うこと、という二つの条件を設定しました。①は、連れ合いとの相談がしやすいのではないかと考えたので。②は、「できるだけ電気に頼らない家にしたい」「木材などの自然素材を使用したい」というのが、私たちの考え方でした。これらの条件にぴったり合うのが古市さんでした。

奥様

何人かのお顔が浮かぶも、最初にお会いし(そびれてい)た古市さんがよいように思い、お願いしてみることにしました。

プラン提案時の模型と断面図:古市氏  ※クリックで拡大します

03)プランニングコース開始から工事中のこと

面談には、イメージ写真やメモ書きを準備して臨んだご夫婦。
「天井が高い/空気が流れる/仕切りのない/自然素材」といった大まかなイメージや、「薪ストーブを入れたい/義母の形見の食器棚を使いたい」という具体的な希望、さらには「家=のんびり/くつろぐ/本/収納たくさん…」といった連想ゲームのようなものを、古市さんにぶつけたそうです。

奥様

これで本当に伝わるのか?と悲しい気持ちになりかけたとき、古市さんから「面白い家になりそうな気がします」と言ってもらえたのは本当に嬉しく、うまくいくかも、と希望が見えた瞬間でした。

ご主人

後日、古市さんから提案されたプランを見て、「私たちの考え方を理解してくださった」と実感しました。その後も何度となくお会いしたけれど、夫婦二人とも、毎回古市さんとお話しするのが楽しみでした。何か特別な事件があったのではなく、ただ「楽しかった」という印象だけが残っています。

奥様

工事中も、現場の方たちからたくさんのアイディアを出していただいたと聞きます。見学に行くたび「暖かい家ですよ、居心地いいですよ」と声をかけてもらえるのも嬉しく、よく作業のお邪魔をしに行っていました。壁内の配管や床を貼る前はどうなっているかなど、いろいろ教えてもらえるのも貴重でした。

工事中の様子 写真:古市氏  ※クリックで拡大します

04実際に住んでみて

ご主人

私のお気に入りの場所は、薪ストーブの前。寒い時期になると毎晩火をつけます。ゆっくり暖まっていくのが楽しい。また、パッシブデザインのおかげで、薪ストーブからの暖気が2階に上がるとリビングの室温はちゃんと上がっていくし、昼間は陽光で室内の空気が暖まり、それが外には逃げないようになっていて、快適な状態が保たれています。暑くなってきても、風の抜けがよく、クーラーのいらない夏を過ごせます。

奥様

お気に入りの場所は、日によって変わります。ストーブの傍は暖かいし、日が射したリビングの床も気持ちいいし、キッチンはシンプルで使いよいし、暑い日に風の抜ける階段で本を読むのは最高だし、ロフトの窓からは夕日や花火が見えるし、全体的に掃除がしやすいのもポイント高いです。夫は一つ所に落ち着くのが好みのようですが、私は居場所がいくつかある中を移動していくのが楽しいです。

――家を訪れる方の評判は?
 

ご主人

初めていらっしゃる方々は、まず北面の壁一面にある本棚に目を奪われるはず。それは使い勝手もよいけれど、観る人も楽しい空間になっていると思います。

奥様

家族や友人が遊びにきて言うには、ここは家というより「森の中の小屋」とか「木の上の秘密基地」と呼ぶほうがぴったりくるとのこと。穏やかな中にも、なにかワクワクするような気配を感じてくれているようで、それは私の実感でもあります。

――ここはもっとこうした方がよかったと思うことは?

ご主人

住んでみないとわからなかったのは、ロフトへの上がり方。狭くて階段はつけられなかったので、はしごで上がるのだけれど、結構怖い。ただこればかりはしょうがないと思っています(笑)。

奥様

改善点を挙げるとすれば、TVやPCコーナーの寸法をもう少し考えればよかったかな。持っている機器のサイズギリギリでお願いしたので、ほんの少しの差で棚に入らないものもあったり、PCを操作する時はなんとなく体が縮こまることになったり(笑)。これは古市さんでも夫でもなく、私の計算間違い。

玄関を入ってすぐにある、大工仕事のできる広い土間と、大容量の壁付本棚が特徴的。
冬でも日当りがよく、ぽかぽかの2階リビング。1階にある薪ストーブからの暖気が家中を循環する。
写真:坂口裕康  ※クリックで拡大します

05これから家づくりをされる方へのアドバイス

ご主人

自分たちの希望や考え方を、建築家の方にちゃんと説明できるようにしておくことが重要。具体的には、住みたい家の条件を決めておくことと、それに優先順位をつけておくこと。特に優先順位はしっかり決めておいた方がいいです。希望をほぼ完全な形で成り立たせるには、どうしても資金の問題とぶつかります。そのとき、どれを優先し、どれに目をつぶるのか。それを決定するのは建築家ではなく自分たちなので。

ご主人

それと、わからないことがあったら、どんな小さなことでも建築家の方に尋ねること。私たちは、何から何まで、根掘り葉掘り、古市さんに尋ね続けた。そしてそれは、古市さんとの会話のきっかけともなり、古市さんのことを知るきっかけになると同時に、私たちのことを知ってもらうきっかけになったはずです。

奥様

大事なことは夫が言ってくれたので、私からはひとつだけ。どこに何を置くか、収納するか、具体的にお伝えしておくことをオススメします。誰かが「これ本当にここに入りますか?」と気づいてくれるかもしれません(笑)。

GALLERY

▲T様ご家族の暮らしのひとコマ(秋~冬):T様撮影  ※クリックで拡大します

▲T様ご家族の暮らしのひとコマ(春~夏):T様撮影  ※クリックで拡大します

お施主様プロフィール

お名前:T様(40代)
家族構成:夫婦
入会日: 2012年2月
プランニングコース開始日:2012年12月
設計契約:2013年6月
工事契約:2013年8月
完成:2014年3月
構造:木造2階
建築面積:33.94㎡(約10坪)
延床面積:66.23㎡(約20坪)

設計:古市久美子/古市久美子建築設計事務所
施工:ASJ武蔵野スタジオ[株式会社タカキホーム]

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